2018年02月15日

日本の自動車業界で唯一、日産がEVに躍起なワケ (




 電気自動車(EV)の分野で「出遅れている」といわれている日本の自動車大手だが、唯一、早くから気を吐いているのが日産自動車だ。昨年10月、7年ぶりに全面改良したEV「リーフ」を国内発売。同年末からは、電力会社や環境関連企業などと連携して新型リーフのPRと普及を狙った啓発活動を矢継ぎ早に打ち出した。EVの本格普及はまだ先という段階にもかかわらず、日産はなぜこれほどまでに躍起なのか-。



 2月1日、川崎市で開かれた「川崎国際環境技術展」。太陽光発電に代表される再生可能エネルギーとEVの未来像を示す実証実験が行われた。飲食店や食品工場の排水から回収した大量の油脂を燃料化。これを燃やして発電した電力で新型リーフを充電?試乗してもらう国内初の試みだ。



 燃料化技術は、経済産業省所管の公的機関「新エネルギー?産業技術総合開発機構」(NEDO)の補助を受けて、環境機器メーカーのティービーエム(埼玉県所沢市)が開発。担当者は「自治体のゴミを原料にEVタクシーを走らせ、乗客が啓発される仕組みができれば、EVは広がる」と抱負を語り、日産との連携に期待感を示した。



 それに応えるように、日産の販売会社、神奈川日産自動車(横浜市)の担当者は「EVを体感してもらう機会を増やしたい」と意気込んだ。



 日産は、昨年9月末に発覚した新車の無資格検査問題を受けて一部自粛していたテレビCMなどの広告宣伝を同年末から徐々に復活。今年2月3日には、モビリティー(乗り物)革命で先頭を走る決意を示す新ブランドキャンペーン「NISSAN PRIDE」も始めた。



 EVでの自動運転技術にも力を入れる。1月、箱根(神奈川県)の老舗旅館「一の湯本館」を舞台に自動駐車機能を活用した未来型旅館のPR動画をインターネットで公開した。見どころは、スイッチ一つで散乱したスリッパや座布団が自律移動して整列する場面だ。その動きは、空いたスペースに自動駐車する車を連想させる。



 新型リーフの開発を指揮した車両開発主管の磯部博樹氏は「運転時のうっかりミスを防げる自動運転技術はかなり注目されている」と手応えを語る。ハンドルを回す抵抗を減らすパワーステアリングのように標準装備にしたいという。



 初代リーフは世界初の量産型EVとして2010年12月に発売。今年1月末までの販売台数は累計約30万台に達し、世界でも最も売れたEVとなった。新型リーフは1回の充電で走れる航続距離を280キロから400キロに伸ばした。



 日産がEVに社運をかけるのは、仏ルノー出身のカルロス?ゴーン会長(63)の意志とみられる。



 英仏は昨年、40年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁じると表明。世界最大のEV市場となった中国は19年に導入する環境規制で、メーカーに一定比率のEVなどの製造?販売を義務づける。1999年、ルノーから日産に移り、大なたを振るってきたゴーン会長は長年、世界で活躍してきただけに、フランスなどEVの世界的潮流を敏感に察知していた。



 「われわれのEV販売台数は(ルノーなどを含め)メディアが注目する米テスラの2倍だ」



 ゴーン会長は昨年6月の株主総会で、EVのリーディングカンパニーだと力説した。



 ただ、今年1月末までのEV累計販売は16年に傘下に収めた三菱自動車を含めても54万台にとどまり、ゴーン会長が11年に掲げた「16年度までに150万台」の数値目標は達成できなかった。



 その一方、日産?ルノー?三菱自連合の17年の自動車の世界販売台数は1060万台。トヨタ(1038万台)を抜き2位に浮上した。首位の独フォルクスワーゲン(1074万台)にも迫っており、EV戦略の成否が首位奪取のカギを握りそうだ。(経済本部 臼井慎太郎)





Posted by jedsf@inter7.jp at 04:51│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。